直通運転徒然



まあ、どっかでありそうな内容なんですけど…

あ、ちなみに上野東京ラインみたいな自社線完結の直通は今回は入れません。
あと、全例を出すのもキリがないので、特徴的なのを掻い摘んで分類してみました。


・CASE1 会社分離型直通運転

このケースで最たるものは東海道・山陽新幹線ですねぇ
元々は国鉄という一つの法人が運営していたのを、JR東海・西日本に分割した為、
新大阪を境にした直通運転という形態になっています

ちなみに、北陸新幹線なんかは分割民営化後の開業なんで厳密には違うように見えますが、
国鉄の北陸新幹線として計画され、政治的理由でゴタついた結果が、
上越妙高(運転上は長野ですけど)を境にしたJR東日本・西日本の直通運転という形になってしまったという事ですね。


在来線にもこんなケースは結構あります。

整備新幹線開通に伴う並行在来線分離で出来た会社とJRが直通するという事例ですね。

例をあげると、
軽井沢から長野への普通列車ですね。
信越本線のありふれた普通列車だったのが北陸新幹線(当時は長野新幹線)開通で、
JR信越本線−篠ノ井−しなの鉄道の直通列車ですね。

こういうのって県が大株主になる第三セクターとなるので、県境=会社境界となるんですが、
大体は需要にマッチしてません。
なので、
金沢から富山への普通列車なんかだと、元々はただの北陸本線普通列車だったのが、
倶梨伽羅を境にしたIRいしかわ鉄道とあいの風富山鉄道の直通列車になったという

IGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道もそうですね。


元々は同じ会社なのが分離しちゃったパターンとしては、赤字83線に伴う分離パターンですね。
東京近郊(まあ、福島県ですけど…)で有名どころは会津鉄道線ですね。
会津鉄道は、国鉄(→JR)会津線としてが出自で、
会津滝ノ原(→会津高原→会津高原尾瀬口)〜西若松の路線で、
当時から只見線の会津若松に全列車乗り入れるというスタイルですが、

その会津線の部分のみ第三セクター化した為、
会津鉄道線会津田島方面−西若松−JR只見線会津若松という直通スタイルになっています。

で、その会津鉄道の方端の会津高原尾瀬口からさらに野岩鉄道にも直通していますが、
これも、元々は同じ国鉄線としての開業なんですが、建設凍結を経て第三セクターでの開通にあたり、出資関係のアレとかで、
別会社になっちゃったので、野岩鉄道−会津高原尾瀬口−会津鉄道という直通スタイルもできちゃってます。

更に言えばこの野岩線と会津線の直通関係にはCASE2に該当する東武直通もあります。
これに関してはまた後に。

他にもほくほく線なんかがそうで、こちらも北越北線というのが元の計画です。
こちらも建設凍結からの第三セクター運営ですね。

ほくほく線なんかは、政治的理由もそうなんですが、建設工事の難航がゴタついた一番の理由でしょうかね。
豆腐の山を貫通してる鍋立山トンネルとかね。

で、ほくほく線自体は六日町〜犀潟の路線なんですが、
運行は、越後湯沢−JR上越線−六日町−ほくほく線−犀潟−JR信越本線−直江津−えちごトキめき鉄道−高田
っていう直通パターンになってます。
まあ新幹線できる前は、高田まで行ってなかったり、特急はくたかっていうJR特急がほくほく線を抜けていましたね
その頃は越後湯沢−JR上越線−六日町−ほくほく線−犀潟−JR信越本線−直江津−JR北陸線ですね。

こんな特急はくたかパターンは、特急スーパーはくと もそうで、智頭急行だってほくほく線と同じパターンで、
出自は国鉄智頭線の計画倒れだったのを、高規格路線として、
JR特急を通したことで、JR神戸線・山陽線−上郡−智頭急行−智頭−JR因美線という経路で特急スーパーはくと
が運転されています。

この会社分離型直通で一番の特徴は、車両運用です。
基本的には双方の会社が車両を出し合って、直通先に貸し出す形で、自社路線〜他社路線と運行させますが、
このパターンだと片方の会社のみの車両しか直通しないというケースが多いです。

ほくほく線:普通・快速列車は全車北越急行車のみ
智頭急行:全列車智頭急行持ち(ただし特急車はJR管理委託)
会津鉄道:JR直通は全車会津鉄道持ち
他には道南いさり火鉄道・三陸鉄道・井原鉄道なんかですね。

伊勢鉄道も、智頭急行パターンですが、特急・快速はJR車で、普通列車は伊勢鉄道車という区分けですね。
相互乗り入れとしては、
IGRいわて銀河鉄道−青い森鉄道
IRいしかわ鉄道−あいの風富山鉄道
JR線−愛知環状線とかですかね。

逆にJR車だけパターンもあります。
こういうのは大体JRローカル線が孤立盲腸線化してしまったのが多いです。
新幹線の並行在来線でね。

大湊線・花輪線・飯山線・七尾線・城端線・氷見線とかですね。
ただ、しなの鉄道は、しなの鉄道線から長野は全車JR直通で、飯山線が全車北しなの線直通という形を取るんで、
走行距離のバランスととっている感じです。

JR同士の直通も会社全体で見てるみたいですね。


…この車両に関するネタでも会津鉄道は色々と複合&特殊パターンをぶち込んでいますw



・CASE2 企業グループ内相互型直通運転

これは、別会社同士は別会社同士なんだけど、実は同じグループ内とか、一つの持ち株会社の傘下同士の直通だったり、
グループには抱合はされないけど、資本関係がある会社同士っていう、直通運転です。

こういう直通は、ほぼ一体化されていたりと需要や事情にマッチしやすく結構便利な直通が多いんですよ。

最たるものは、
阪急電車・阪神電車−三宮−神戸高速線−西代−山陽電車

元々、阪神と山電は資本関係があって、
そこに、阪急も加えて神戸高速に出資し、色々あって、阪急と阪神が阪急阪神HD傘下になり、
神戸高速線に絡む会社全てが、阪急阪神HD傘下という感じになってます。

阪急電車との直通は、本当に阪急電車が梅田〜新開地を一つの路線としてやってる感がありますし、
阪神と山電の直通特急も高速神戸で乗務員交代したり、阪神と山電の車両が入り乱れてたりしてますが、
ほどんど一体化したような運転系統になっていますね。

阪急神戸線の特急なんかはほっどんど神戸高速の新開地まで行くし、
阪神線と山電の特急の半数以上は梅田〜姫路の直通特急だし、いわゆる須磨浦特急もその補完として存在しています。

神戸電鉄も、湊川〜新開地は1区間ですが神戸高速に乗り入れという形をとっています。
神電もご多分にもれず阪急阪神HD傘下です。


関西ではあと、泉北高速線がそうですね。
なんば−南海高野線−中百舌鳥−泉北高速線って形で。


関東では京成線なんかがそうですね。

京成は北総線と新京成線・芝山鉄道と直通しています。
これらすべて京成グループです。

だから、あの辺全部京成線の雰囲気が強い…っていうか京成の色違い
各社の車両も京成グループロゴが付いてるし。

新京成以外は相互直通ですね。


そして、東武線と野岩線・会津線の直通もこっちに入ります。
まあグループ内というよりは第三セクター化の際に東武が出資し、各社の大株主となったという感じなんですけど。

で、東武鬼怒川線−新藤原−野岩鉄道−会津高原尾瀬口−会津鉄道−西若松−JR只見線というスタイルです。
なので、CASE1と2が混じったスタイルです。
この直通で凄いのが、電車と気動車が入り乱れる相互直通スタイルです…

電車:東武・野岩3本・会津1本所有
気動車:会津所有
で、免許も違うわけですが、
野岩の乗務員がそのまま会津田島まで、
会津の乗務員が、野岩の新藤原どころかそのまま東武の鬼怒川線全線と、日光線下今市〜東武日光まで越境します。

流石に東武側の日光線、会津側の会津田島〜会津若松はあまり一体化した雰囲気ではないですが、
鬼怒川線〜野岩線〜会津線〜会津田島は、
各車の6050系電車、東武の特急リバティに、会津鉄道のAIZUマウントエクスプレスが入り乱れ、
行き先も、浅草・東武日光・下今市・鬼怒川温泉と会津田島・会津若松っていう
鬼怒川線〜会津田島っていうのが三社跨ぎにも関わらず、一つの路線かのようになってます。


ちなみに、みなとみらい線もこのパターン


・CASE3 既存路線同士型直通

こちらは全く資本関係も無い会社同士での直通で、地下鉄に絡むのも厳密にはこっちですが、
地下鉄は地下鉄だけで更に複数分類できちゃうんで、CASE4として紹介します。

こちらで有名どころは、
特急スペーシアの新宿直通
ロマンスカーのふじさん御殿場直通


阪神なんば線と近鉄奈良線
…ですね。

今後の相鉄〜東急・JR直通もですね。


この直通の最たるものは既存ストックを最大限活用した需要創出です。

スペーシアの新宿直通なんて正にそうですね。
東京の東側は東武のテリトリーなんですが、西側となると行くのも不便で、
それに甘んじるわけにはいかないということで、栗橋から湘南新宿ラインの経路で新宿まで行き、
東京西側からの需要を得るというもの

ロマンスカーの御殿場直通は、箱根へはロマンスカーが有名でしたが、
小田原からのルート以外にも御殿場からのルートも確保するという理由ですね。

阪神と近鉄はJRとの対抗が大きいですが、JRの需要を得るという意味では
需要創出ですね。

阪神としては、甲子園や神戸への旅客を近鉄沿線からも拾えるし、
近鉄も近鉄で自社のネットワークの延長に阪神沿線があるんで、
阪神沿線から奈良・伊勢志摩や、アーバンライナーまで旅客を引っ張りたいというところですね。

相鉄なんかは今まで沿線から都心に行くのに横浜かなんかで乗り換えなきゃいけないのを、
そのままJRや東急と乗り入れて、都心まで乗り込むことで、沿線価値を上げることを企図したものです。

沿線価値が上がれば、沿線の需要の創出になりますからね。


・CASE4 地下鉄直通型直通運転

こここそ、直通運転徒然の最大の沼ですw

TYPE1 都心直通線パターン

日比谷線-東武線(・東横線 廃止済)
都営浅草線-京急線・京成線
千代田線-小田急線
都営新宿線−京王線
有楽町線−西武池袋線・東武東上線
半蔵門線-東武線
堺筋線−阪急線
烏丸線−近鉄京都線

地下鉄での整備目的の大きなウェイトを占める郊外から都心へ向かう旅客の引き受けを直通で行う事です。

自社ターミナルの混雑緩和が主目的だったり、自社ターミナルが貧弱など、各社の事情は異なるんですが、
共通項としては、このタイプでは、もともとのターミナル発着の電車もそれなりの存在感はあるんですが、
それ以上に地下鉄直通の存在が重要となっています。

その路線に地下鉄直通専用の系統や種別があって、後述の(TYPE2+TYPE3)÷2となるような形態が多いですかね。

…まあ、小田急と千代田線は少し前まで影薄かったし、日比谷線と東横線は切られたけど


TYPE2 バイパスパターン

メトロ東西線−JR総武中央線
千代田線−JR常磐線
南北線・都営三田線−東急目黒線
中央線−近鉄けいはんな線
西神・山手線−北神急行線

バイパス対象は上から
中央快速線・総武快速線
常磐快速線
東急東横線
近鉄奈良線
神鉄有馬線

まあ、こっちも混雑緩和が主目的なんですが。
ただ、TYPE1が接続駅から既存路線に食い込んでいく形なのに対して、
このTYPE2は既存路線に肉付けしていく形になるんで、既存路線とは完全に独立した形なのが多いです。


TYPE3 完全一体型パターン

御堂筋線−北大阪急行
メトロ東西線−東葉高速線
半蔵門線−東急田園都市線
南北線−埼玉高速線
副都心線−東横線


こっちは、都市開発や都市計画に呼応した形になります。
東横線と副都心線はちょっと違うけど。

で、この二つほぼ一体化していて、境界駅や手前で折り返して、直通しないのもありますが、
直通が一番目立ちますね。
このパターンは。

東横線みたいに後から直通するようになると、座れなくなったとかっていう意見も増えます。
この対策で境界駅折り返しなんてのが残るんですが、まあ、座れなくなるって確かにイヤなんですよねぇ…(笑)

千代打線と常磐線各駅はこっちの要素も多く含みます。


TYPE4 既存路線置き換えパターン

京都市営東西線−京阪京津線
空港線−JR筑肥線

こっちは直通を機に既存路線を廃止しちゃうやつです。
大体は赤字とか収益が宜しくなくなっちゃうからですね。

なので、こっちも一体型にはなるんですが、
あくまで置き換えられた方から見れば、であって、
地下鉄から見れば別にそういうわけでは…

東西線から見れば、六地蔵行きの方が多いうえに、
京津線直通は前までは三条〜浜大津の代替でしかないということで烏丸御池すら行かなかった訳だし
今は全部行きますけど、本数少ないしな。

空港線のほうだって、筑肥線に行くのは半数弱な訳で、大体は姪浜行き

あ、仮に西鉄貝塚線と箱崎線が直通開始した場合もここのタイプに入ります。
貝塚線(当時は宮地岳線)→路面電車に組み込み→箱崎線開通に伴い先行して廃止なんで。

なんでこうなるかというと、都心側の区間を地下鉄で代替しているからです
なんで、地下鉄の終点は市内で見るとかなり郊外側に来てしまうんですよね。

御陵や山科って東隣の市は滋賀だし、
姪浜から先も福岡市は続くけど、でも市街地が連続するのは姪浜辺りまで

まあ、地形の問題も結構大きいんですけど。


――

以上のパターンは管理人の独断ですが、一口に直通運転といっても7パターンくらいあるんですよね。

これに当てはめにくいのが仙台空港鉄道とかりんかい線なんですけどね。




トップページに戻る

戻る

inserted by FC2 system