私鉄特急の特徴



JRの特急といえば、在来線の最上位種別で、特急料金が掛かってなおかつ指定席が基本という、感じですが
私鉄の特急といえば会社によって千差万別。

今回は大手16社を中心に色々と見て行きたいと思いまする。

※first update 2016.2/4
※second update 2021.3/3


※分類は管理人が独自に付けたものです。
通勤ライナーは除外(TJライナーとか京急ウィングとか)

TYPE1有料特急
1-1観光特急型

こちらでは、東武特急スペーシア、西武特急、小田急ロマンスカー、近鉄特急しまかぜや伊勢志摩ライナーなど、南海特急こうや
などが挙げられる所。


東武特急スペーシア

小田急ロマンスカーHiSE

小田急ロマンスカーGSE

近鉄特急汎用型ACE

この系統の特急は各社の顔である傾向が強いです。
例えば
小田急といえば箱根が思い浮かぶ人が多いでしょう。
小田急のCMでは箱根に行くならロマンスカー的な感じで放映してます。

2015年の夏前に公開の「ロマンス」(主演大島優子)っていう映画は、ロマンスカーの車内販売の姉ちゃんがテーマですが、
やはりこれは小田急の箱根に行くならロマンスカーという一種のマーケティング戦略です。

近鉄は大阪・京都・名古屋から伊勢志摩に向かう観光特急を走らせてます。
名古屋・京都は新幹線連絡の部分も大きいですし
ちなみに京都〜賢島の近鉄特急は私鉄最長距離特急(195.2q)

2020年現在でも車内販売が残ってる私鉄特急はこの辺の特急です。
スペーシア・リバティ(一部)・ロマンスカー・しまかぜ・伊勢志摩ライナー(土休一部)
ただ、2021年でロマンスカー終了したりとその辺はアレですが。

各社の顔であることが多い分、著名な観光地を結んでますねぇ

ただまあ観光輸送色は薄くはなりがちですけどね。
沿線途中の都市の需要も無視は出来なくなってます。

いい例がロマンスカーで町田・相模大野・海老名・本厚木辺り
スペーシアで、春日部・栃木がもはや主流だったり、
近鉄なんかは下記の名阪特急の大阪線内だと、大和八木・名張位しか停まらないんですが、
その補完として、大和高田・榛原・伊賀神戸とかの割と大きい駅に停まってます。

まあこのタイプですと観光客がガッツリ乗る時間は間を飛ばしても客は乗るんですが、
それ以外は割かし小まめに停まんないとガラガラになりがちです。
ですがJRがあまり有力じゃないのもあって上記の通り観光に良い時間ではすげぇ混んだりしますけどね。
まあ沿線の途中駅もJRは23区内に直通しない(小田急・東武)とか、そもそもJRが非力(近鉄)だったりでそういう事情もあります。

スペーシアなんかは下記の都市間輸送の根本側ってのもあったんですがここ近年は薄れてきています。

1-2都市間輸送型

東武特急りょうもう、近鉄特急の名阪特急が代表格
この辺は大方のJR特急に近いものがありますね。

東武特急りょうもう

東武特急リバティ

近鉄特急アーバンライナー

近鉄特急ひのとり

名阪特急は2時間っていう新幹線と高速バス・在来線の隙間を突いて、居住空間にリソース割いてたり。
毎時2本の本数は確保してますねぇ
2020年以降はアーバンライナーを停車タイプの乙特急に
ピカピカのひのとり を甲特急の早いやつに充ててます。

名阪甲特急(ひのとり)は大阪市内の難波・上本町・鶴橋〜名古屋の間は、津が全停車、大和八木が朝夕を中心に停車と、ほぼ通過
まあひのとり は速さだけじゃなくて居住性にも大分重きを置いてますし。
ちなみに大都会と大都会をダイレクトで結ぶ私鉄特急は近鉄名阪特急だけです。(189.7q)

りょうもうの方は、沿線は工業地帯が多いのかそういう客や、沿線と都内を行き来する客が多く日光線特急より客乗ってます。
で東京〜北関東で収まるのでどっちかというと主要駅に停まりこまめに客を拾うタイプ

でリバティなんですが、会津・りょうもうがメインで、
会津は(観光+都市間)÷2な所で
都内から会津に直で行けるのはこの列車だけ
…南会津の会津田島までですが。会津田島〜会津若松は物理的に電車入れないので非電化区間の自走に対応した電車が必要になりますが。
まあ接続は考慮してるので、
東京〜会津若松の都市間輸送の3/4をこのリバティ会津が担当します。
ですが、都市間と言っても大都会と言えるのは東京都内だけだし、日光発着を増結する&沿線は温泉街・観光地なんでこちらは主要駅にこまめに停まるタイプ
なのでスペーシアの会津連絡をこのリバティ会津が奪い取る感じになりました。
ちなみに私鉄特急運転時間No.1です。(190.7q)

まあここまでに上がった近鉄・東武特急全てに言えるのは距離が150q〜200q走るので割とJR特急と似たような感じになります。
その距離ってJR特急でも主要区間と同等になりますんで。

近鉄の名阪特急は、2時間っていう新幹線と高速バスの隙間をついた速さで、難波に直行でき安いので、結構人気なルートで、
東武特急の方は、終着地が両毛地方というJRじゃ都内から直通で行けないという事もあり、こちらも割かし定着したルートです。

リバティ会津の方は浅草〜会津若松を4時間30分〜5時間で結べるので、
新幹線は異次元扱いとして高速バスと時間は大して変わんないし、往復だけでもフリーパスの方が安いとか
こっちもこっちで新幹線と高速バスの隙間を付いた感じになります。
リバティ使って5時間かかる乗継組み合わせは乗継時間が30分あるのが原因で、実乗時間は4時間30分位
まあ詳しくは鉄道歴史シリーズを見てください。


特徴としては、その特急において大きなアドバンテージを持っているということですね。

1-3空港連絡特急型

京成スカイライナー、名鉄ミュースカイ、南海ラピートが該当
その名の通り、国際空港に連絡する特急です。

1-1の観光特急と同じく通勤ライナー的役割を持つ列車もある
京成はモーニングライナーやイブニングライナー、
名鉄は、もはや名物の特別停車が朝の名古屋方面行で存在し、
南海の場合はラピートβが該当する所でしょうか。

京成スカイライナー

名鉄ミュースカイ

南海ラピート

こちらは企画券が充実していたり、特急料金自体がそもそも安いとか、値段が抑え目になっている事が多いです。
他社鉄道や航空会社とのタイアップ絡みも多いのはやはり空港連絡特急であるからでしょう。
TYPE1のなかでは一番競合が激しいですし
名鉄の場合は座席指定券ですが…
ミュースカイは全車特別席(指定席)なので実質有料特急として…

ちなみにこのタイプは他に比べて不景気にすごく弱いです。
空港連絡=飛行機ですが、航空会社は情勢の変化ですぐに株価が反応するような業種ですし、
そこに連絡するわけですから。
しかもそのタイプは全部国際便がメインの空港に連絡するわけですし。
羽田・伊丹・福岡・千歳の国内線バリバリ飛んでる所に私鉄路線は羽田の京急だけでしかも有料特急走ってないし。

とは言いつつ京急のエアポート快特はこちらの要素が大きいですが。
羽田空港出ると品川まで停まらないし。(快特も蒲田に停まるだけだし)

TYPE2一部特別車/指定席車

こちらは南海サザンと名鉄のミュースカイを除いた大体の特急・快特が該当

名鉄パノラマスーパー

ある意味一番現実的な運行形態です。
TYPE1-2と下記のTYPE3を足して二で割ったようなもんです。

指定席券が必要な号車と不要の一般車が一つの列車にまとまっています。
それ以外で特徴という特徴は無いかな…


TYPE3一般特急

こちらが一番多いパターンでしょうかね。
数が多いので、エリアごとに分けます。
共通事項は、競合路線があるってところですかね。

3-1首都圏エリア

京急線

東急東横線

京成線

東海道線や横須賀線・総武快速線、東京モノレールが主な競合関係

京急なんかだと、快特を主軸に据えて割とJRより多いか同等でやってます。
東横線は、急行と合わせて、こちらも本数と安さで。
京成はまあ…はい。
でも、浅草〜青砥〜船橋・津田沼は
毎時20分毎の直通快速と、エア快と快特・特急の青砥乗り継ぎで10分間隔は維持してますけどね。

京王線も割とそんな感じです。

とは言っても通っている場所考えればどっちかというとJRとはほどんど棲み分けに近いんですけどもね。
自社線の優等種別の一つって言う感じ
で、今までのtype1の3種類に比べてJRに対して特色あるアドバンテージが高い要素が霞む所はあります。
まあ一番よく言われるのは早いけど高い本数微妙なJR・遅いけど安いし本数多い私鉄ってな感じ

結局のところ首都圏の輸送人員のパイが大きい分競合というにはアレですけどね。



3-2京阪神エリア

阪急電車

京阪電車

阪神電車

この辺は御三家みたいなもんですw
JRの新快速と競合です。

私鉄側は運賃の安さ・ターミナルの立地・本数の多さ・途中駅で勝負ってところです。
実際はターミナルの立地・本数の多さを考えれば新快速とどっこいどっこいってところも割とあります。
この辺の競合は全国でもトップレベルの質を叩き出してます。

利便性から車両や座席などの質といい…

3-3北部九州エリア


まあ、西鉄電車しか存在しませんが…

鹿児島本線と競合…なんですが、
運賃の安さからターミナルの立地、本数の多さまで至るところで西鉄電車の方が便利なんですよね。

速さは互角ってところですが。JRでは都市間特急が多いですし、自他社含め宅地・都市開発を行った経緯から西鉄電車の方が分があります。
競合と言うよりは棲み分けといった方が正しいですかね。



ざっとこんなもんですがいかがでしたでしょうか。


トップページに戻る

inserted by FC2 system