東武電車図鑑30000系


流転の先駆車
運転範囲(〜2021年下期ごろ)

運転範囲(2021年下期ごろ〜

1997年に、2003年に開始される半蔵門線直通対応車として登場 10000系改造も視野にはあったそうですが、費用対効果などの関係で本系列が導入されたそうです。 東武の車両としても既にVVVFインバーター車が採用されているので、 当然ながらこの30000系にも搭載されることになります。 VVVFインバーターの半導体素子はGTO素子からIGBT素子に変わったものになりましたけど。 下回りの他では台車回りの構造が大きく変わり、ボルスタレス台車は10030型、20000系で既に採用されていますが、 両形式は軸箱支持方式がSUミンデン式っていう、板バネを使用した方式で8000系からの流れを汲むものですが、 こちらの30000系からはモノリンク式が採用されています。 何が違うといえば、2枚の板バネを、1本の緩衝ゴム入り鉄棒にしたというのが一番の大きい違いです。 後は軸箱の形が変わってみたり。 また、基礎ブレーキ装置と言われるブレーキ機器があり、 圧縮空気でブレーキシリンダーを作動させてテコの原理で制輪子って言うブレーキパッドを押すやつが台枠全体に装着されます。 これもこの30000系以降ではユニットブレーキなるものを採用しています 上記ブレーキシリンダー&ブレーキテコ&制輪子ホルダーが一まとめになって随分小さくなりました。 そんなんで台車回りはスッキリとシンプルな見た目になりました。 …まあメトロ(当時は営団)なんかは30000系より数年早くこの様な台車を採用してたそうですが 主回路関係では後に同期電動機への試験車両にも供されていますが。 VVVFインバーター制御とセットである誘導電動機に関しては100系や10000系で既出なんでアレですが、 固定子が回転磁界によって発生する電磁誘導によって回転子に回転力を与えるものですが、 同期電動機は回転界磁と回転子がシンクロして回転するもので、 誘導電動機には回転磁界と回転子の回転にズレが生じ、このズレの事をすべりなんて言うそうですが、 同期電動機はそういうのがありません。 コンプレッサーなんかもレシプロ式というピストン圧縮によるものからスクリュー式なんてものを採用してたりしてるそうですが。 結構この辺の下回り関係は後継である50000系以降の通勤車や500系リバティへも採用されています。 台車回りで言えば微妙な仕様違いだったり、500系で言えば特急車向けに部品が追設されたりとかですね。 半蔵門線直通に使用されることから同線への乗り入れ規格に合わせた仕様になっています。 具体的に言えば運転台のマスコンがT字ワンハンドルになったり。 とまあとにかくこの30000系から東武の電車の(特に下回りの)仕様がガラッと変わり、 上述の通り、50000系、60000系、500系リバティへと繋がる要素はこの30000系から始まっているわけです。 (70000系に繋がる要素もありますけど、こっちはメトロ車の要素も大きめです) 冒頭の通り1997年に登場で半蔵門線直通の7年前ですがなんでこんな早い時期から営業運転開始なのかというと、 慣らし運転ってのが大きいそうです。 で、半蔵門線は10両で運用されていますが、30000系は6両+4両での製造です。 東武線内で慣らし運転といっても浅草駅や当時の西新井工場が10両NGなためで、 東武線内でも制限なく運用するためには6両+4両しかなかったってのが真相 8両までは行けたんですけど、浅草駅の8両対応番線が1番線だけで、結局運用面で制限が掛かってしまいますし。 慣らし運転中は、浅草から太田に東武宇都宮に幅広い範囲で運用されていたそうです。 そんなこんなでこの30000系はかなりいろいろと振り回された車両であり、 いざ半蔵門線直通してみれば、10両換算で15編成分しか製造されなかった分、東武車なのに東武線に戻るほうが珍しいとか 渋谷駅の階段の位置にちょうど連結面が当たってみたり、それによって田園都市線の混雑を助長してしまうとか。 …東武線沿線民として、10両組むのに、4両+2両+4両とか、2両+2両+6両とかごちゃごちゃな編成で旧・準急や区間急行で、 朝の北千住に突っ込んでるのを実際に通勤や通学で乗ってた管理人からすると、…な感じに思えるんですが、 路線ごとに事情が違うって事ですかね。 ちょうど半蔵門線直通が乗客にも受け入れられ、運行設備面でも西新井工場や杉戸工場が、2003年に南栗橋工場に移転統合され 条件がそろった2006年以降50050型を投入し、30000系は順次地上運用に戻ることになりました。 2011年以降東上線の信号保安システムをATCに換装するのを機に、 車両改修工事の簡略化を狙い、30000系の東上線移転が進みます。 30000系のATC機器は50050型に移植されていますが、逆に言えば車両自体は対応ができるということで、 これを逆手に取り、しかも伊勢崎線系統は地上車の運用が減って地下鉄直通が入れ替わりに増発されている状況でしたし。 2015年になり半蔵門線直通以外はすべて東上線に集結され、 2020年以降は50000型とトレードで転用される編成も出てきています。 2021年には本線での運用は消滅?って感じになってるらしいですし。 ただ工場への定期入場は東上線川越工場が廃止、東武の全車が南栗橋工場に集約され、南栗橋〜北千住の試運転は検査工程のクライマックスみたいなもんで、 車両検査は必須というわけで、検査での試運転は絶対に無くならないんで、 本線から30000系が消えたといっても、南栗橋〜北千住に限って言えば、30000系の走行が途絶えたことは無いし、途絶えることもないんですけどね。 乗客は乗れなくなりましたけど(笑) 現在の主力の東上線運用 本線地上運用末期の頃 本来の投入目的だった半蔵門線直通

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