東武電車図鑑8000系



かつての東武の主力

運転範囲(2019年5月まで)

運転範囲(2019年5月〜2020年6月)

運転範囲(2020年6月〜)

東武8000系には大きく分けて、 ・8000系 ・800/850系 が存在します。 何が違うのかは後述します。 東武8000系は1963年、老朽化した戦前製の車両取り換え及び利用者増加のために製造 当初は4両編成が製造されました。 特徴としては、軽量化・汎用性に富む事。 東武線は都内〜埼玉(千葉)〜北関東まで広がっているので、どこでも使えれば使い勝手が良いと。 重いと色々と金が掛かるっていう、全体的にコストダウンを目指してる感じです。 大抵の電車はモータの逆回転力を用いた発電ブレーキ、回生ブレーキ(この2種はいわゆる電気)をメインとして空気ブレーキを併用するものなのですが、 この電車は空気のみです。(電気のみの車両は存在しない…はず) 構造の簡素化がメインといったところでしょうかね。回路が単純になるんで。 それでも、制輪子(イメージ的にはチャリの前輪ブレーキ)の素材を強化したりだ、数を増やしたりでブレーキ力は確保。 当時では珍しいらしくモーター車とモーター無し比率を1:1にしたり その当時は全モーター車が当たり前だったらしい それでも当時としては大出力なモーターを積んだり、台車は重厚なものを用意したりしてます。 台車と車体間のバネは、金属の物では、軽量化した8000系では車体高が変わるっていうんで空気の物を採用。 空気の抜き/入れで調整できるし、乗り心地良くなるしね。 その乗り心地は、モーターの制御器にもポイントが。 モーターの回転数を制御するには電圧とか抵抗を変えてやれば電流が増えるっていうんでそうしてますが、 その抵抗は、抵抗器を入れてます。その抵抗器の数を大量にこしらえる事で細かい制御を可能にしてます。 いきなり電流をかけることはしないで段階的に上げます。 最初は回転数よりはトルクが重要で、 速度が上がれば、抵抗を抜いていけば電流が上がります。 これを抵抗制御なんて言ったりもします。 で、更に電流を上げていくために 組み合わせ制御といって、説明が面倒なので1両8個として、 モーター8個で1セットを、4個で1セットにして、Aセット4個・Bセット4個の計2セットに分けて並列にして電気を流します。 電圧に関しては同じ電圧数が2セットずつ流れますから、 で、抵抗が1セットずつに分離するように回路を組み替えるので、 単純に電圧がそのままに抵抗が減ってして電圧が増えるになるようなイメージですかね。 図にするとこんな感じです。 回路の電流はこんな感じの合成抵抗の求め方で計算できますね。 …数字の関係で電流の差がすげぇことになっちゃいましたが、こんなイメージです。 ちなみに、図の200Aは全電流で、回路全体の抵抗で、AセットとBセットには100Aずつ流れると思います キルヒホッフの法則ってのがあるらしいんですが、流出する電流=Aセットの電流+Bセットの電流となるそうです。 正確な説明じゃないかもしれませんが、まあイメージ的には…ね?(笑) しかし…それだけでなく、今度は弱め界磁制御というのがありまして、 モーターは固定部(フィールド)の界磁コイルと、回転部(アマチュア)の電機子コイルがあり、 この8000系は直流直巻電動機といわれるもので、固定部と回転部どっちにも直列で電気が流れ、磁界が発生し、 フレミングの左手の法則で回っていきますが、 この固定側の磁界を弱めるために、その固定側と並列に(抵抗制御とは別の)抵抗回路を挿入して、 この抵抗回路にも電気を流すことで、固定側への電力流入が減り、磁界が弱まり、 回転部への電気流入を上げて、回転数を上げていくようなイメージですかね ちなみに、この抵抗も、いくつかあって、速度を上げていけば抵抗を抜いていきます。 イメージ的には マウンテンバイクや車のマニュアルで1→5という感じでギアを変えていく感じですね。 低速時は重くして、高速時は軽くしていくというイメージです。 (界磁=磁界を生み出す物) モノが動けばなんかしらの抵抗というのが発生します。 腕を大きく振れば風を感じると思いますが、この風というのが抵抗に相当するわけで、 また、力任せに壁をぶん殴ったとき自分もかなり痛いっていうのも反力というある種の抵抗ですね。(誰しも経験あるかな?) この抵抗を逆起電力なんて言ったりしますが。 で、抵抗制御や組み合わせ制御は ・そもそも抵抗を抜いてしまう ・電圧を上げていく ことで抵抗値を相対的に下げたりしていますが、弱め界磁制御は固定側への電力流入を減らすことで根本的に抵抗を避けるイメージですかね。 1970年代以降の電車は半導体の件で、 平成入ってからの電車は半導体技術の向上で別の種類のモーターが使えるようになったんで、ここで書いてあるのとは別。 先述のブレーキについても 電磁直通ブレーキというもので、 空気ブレーキだけなのになぜに「電磁」やねんと思う方がいるかと思いますが、 これが結構簡略化して書いたブレーキシステムなんですが、 運転士がブレーキ掛けると、空気が制御器まで送られまして、 ここから連結されているすべての車両の作用/緩め電磁弁に電気信号が送られます そうして空気タンク→応荷重装置→ブレーキと空気が流れるように制御します。 応荷重装置というのは、ガラガラと満員電車でブレーキ圧力を変えるためのもの 重くなればその分圧力が必要で、重くなると台車の空気ばねが潰れます。 その空気でブレーキ圧を変えます。 さっきの太字がポイントで、ただの直通ブレーキというのもあって、直通管で先頭車から順繰りに各車に空気を送り込んでっていう ブレーキが同時にかからないもので、その欠点を改善したのがこれ 電磁直通だと直通管の意味無いようにも思えますが「ブレーキ掛ける・緩める」よりも、「どのくらいの強さのブレーキか」っていう感じのやつです。 結構ブレーキの空気部品はテコやら天秤みたいな構造のやつもありますね。 ブレーキ管っていうのは、ブレーキ管圧力を下げるとブレーキがかかるもの まあ、? かと思うんですが、 これは非常ブレーキのシステムで、ブレーキ管圧を急激に下げると非常弁が開いて、 元空気管から空気が送られるというもの そうすれば、ブレーキ作用を早くすることができます。 ちなみに、最近の車両は、空気タンク〜応荷重・ブレーキ制御をする弁〜ブレーキの部分のみに 空気を使用して後はすべて電気という、電気指令ブレーキとなってます。 最初に4両編成が登場後2両編成、6両編成、8両編成が登場 編成番号として、 ←浅草・池袋・柏 4両 81xx-82xx-83xx-84xx 2両 85xx-86xx 6両 81xx-82xx-83xx-87xx-88xx-84xx 8両 81xx-82xx-83xx-89xx-89xx-82xx-83xx-84xx モーター付は、82xx、83xx、85xx、88xx で、何かって言うと、4両編成を基本に、6両編成は4両編成と2両編成をそのままくっつけたような 8両編成は4両編成を2本くっつけたような形なわけです。 で、xxの部分は製造順というか車両の識別番号ってな感じなんですが。 例: 8101-8201-8301-8701-8801-8401 8103-8203-8303-8903-8904-8204-8304-8404 伊勢崎線(現スカイツリーライン)では2・4・6両編成が、 東上線では2・4・6・8両編成が活躍 2013年まで中古車の楽園と言われた(らしい)野田線(現アーバンパークライン)は登場から14年した1977年から投入 2・4・6両編成が投入 そんなこんなで、最終的に712両も製造され、私鉄では最多の車両数です。 で、上記の通りに付番していくと、xx之部分は99までしか付けられません。 が、81101なんていうように付けて、回避しちゃってます。 通称インフレナンバーですね。 という感じで活躍してきた8000系ですが、あんだけ作っても利用者増加には追い付かず、新形式を作ってみたり、 線路増やすやら駅を巨大化してみるとか地下鉄に乗り入れてみるとかやってましたがそれはここでは書きません。 20000系とか30000系の時に書きます。 登場から約40年全車現役の後、2004年についに廃車が出ました。 が、老朽化で廃車になったわけではありません。この時点では 改造で余ったから廃車という… ここでの改造って言うのが冒頭に出た800/850系です。 この800/850系って言うのは伊勢崎線群馬ローカルのワンマン運転するには、3両が最適という事になり、 東上線の8両編成から作られた 8103-8203-8303-8903-8904-8204-8304-8404 |← 800系  →|  廃車  |← 850系  →| という形で、89xxを廃車しました なので、800系と850系の違いは、機器配置の違いのみで、8000系としなかったのは… 8000系より性能が良くなっちゃってるからでしょうかね。 何でかというと、 冒頭のモーター車(M)とモーター無し(T)比率(MT比)を1:1が基本(8000系に限らず東武鉄道の基本)ですが、 中間のモーター無しをそのまま廃車にしたもんだから、 MT比2:1なわけで単純にモーターが増えた分性能が良いってだけの話 廃車も改造で余ったから…8000系初めての廃車が出た2004年から数年後、 本格的に老朽化にて廃車が出ており、2017年現在では3割程度しか残ってません。 現在の運転範囲は冒頭のPDFを見て頂くとして、 東上線(池袋〜小川町)については2013年までに50000系にて 伊勢崎線(現スカイツリーラインのエリア)については、2009年までに30000系によって置き換えられました。 まあ、スカイツリーラインの方も実質的には50000系なんですけどね 詳細は上記形式のページにて。 というわけで8両は2013年に途絶えました。 野田線(アーバンパークライン)についても、 2004年から独占でしたが、 2013年にまず東上線とか伊勢崎線の10000系が、 次いで、完全新品60000系が入り、ついに60000系よりも数が少なくなってしまいました。 (とは言っても60000系(18本)と8000系で野田線の約半数ずつ占めていますが) でも急行でかつ6両で走ってるのは野田線だけですんで、愛でるんであれば是非 まあ、一部は東武博物館に籍を移してイベント列車で走ってるなんてのもありますが。 どの車庫でも所属が残ってるのか東武の車両教育もこの8000系が基本らしいですしね。 ですが、2018年の9月から20000系ワンマン車投入につき、 新栃木所属車の廃車が進んでいます。 ですので日光線や宇都宮線での運用を見るのはあと少しということになりますので、お早めにどうぞ 2019年5月xx日(詳細日付不明)をもって新栃木所属車が廃車になり、 日光線・宇都宮線から撤退となりました。 それ以外のローカル区間に関しては、今のところ動きがないのでどうなるか分かりませんが、 そうも先は長くないのかもしれません。 8000系の画像はこちらにまとめました。

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