東武電車図鑑100系


東武鉄道の褪せないフラッグシップ
運転範囲(〜2022.3/11)

運転範囲(2022.3/12〜)

1991年に1720系の代わりに登場した特急電車です。 スペーシアと言えば通りがいいでしょう。 流石に1720系DRCも30年選手になって陳腐化も隠せなくなり、時代はもうバブル全盛期というのもあったそうですね。 下回りでは、 当時の特急車としては珍しくVVVFインバーター制御を用いています。 なんでかと言えば、インバーター制御は連続して回転数を上げることが可能で、進段させる必要がない そんなわけで出力を高くできる交流誘導モーターとの組み合わせであれば、細かい制御も可能 という特性があるので加減速頻度の高い通勤車への採用が1990年代初頭の流れでした。 そんな中で100系スペーシアは、 ・インバーター制御であれば高出力 ・高出力であれば高速性能も上げられる ・日光線は全体的に線形は良いが、新鹿沼以北は山登り、カーブも点在する 日光線の線形に関してはこちらもご覧ください

という完全に性能ありきで採用されました。 しかも全車モーター車なんで編成単位の出力はまあとんでもないことになってます。 直通先のJRの乗務員がビックリするぐらいの性能だとか…(笑) VVVFインバーター制御に関する詳細は10000系のページをご覧ください。 また、当時の特急車辺りから盛んに採用されているものとして滑走防止機能です。 滑走とは何ぞやって所なんですが、 ブレーキ掛けると車輪がロックされて、レール面をスケート滑るかのように滑る現象です。 特に雨の日とかに起こりやすいです。 車輪とレール面に雨が入り込む為ですね。 まあこの辺は教習所の学科でもある程度出てきている内容ですかね? 特急車だと100q〜130qっていう高い速度からブレーキを掛けることが多いですし、 この頃はこの頃でぶっちゃけ回生ブレーキ付いてますけど、 非常ブレーキなどで空気ブレーキのみを使うとなると、レール面と車輪の間に、 雨水が入り込むと制動(=ブレーキ)の方の摩擦力が落ちてしまいますし、 で、制輪子を押す力>摩擦力ってなると車輪(タイヤ)がロックされるという話になります。 なんで、回転数や速度に応じて制輪子を押す力を調整するのが滑走防止装置 要は車のABSですね。 ちなみに力行でも同じような話はありますが、こっちは運転士がノッチ調整して力行するようなイメージですけども。 一応制動の方は長らく600m条項というのがあり、何としてでも600m以内で停止せよという国交省令がありました。 まあ結局いくら走行性能良くたって制動の方がダメじゃ意味ないですしね。安全に止まれなきゃ話にならんので。 現在の国交省令では制動距離の標準的な数字として600mって事になってますが。 今のスカイライナーや旧・特急はくたか は特例、新幹線はそもそもそ省令から除外されてます。(踏切とか無いし) ただ最近は滑走防止装置が採用されたとかは聞かないですね。 モーター出力が上がった車両が多く、更に良く回生ブレーキが効くようになったとか、 そもそも車両情報装置の搭載がデフォルトになりそこに組み込まれているとか、 砂とかセラミック撒き装置で代替されたとかそういうのもあると思いますけどね。 必要な時に自動で撒けますしね。 砂とかセラミックを撒くと、車輪とレール側の摩擦力を上げ、制輪子を押す力に負けないようにするという意味でも 滑走防止装置の一つと言っても良いのかなと思います。 それ以外で言えば割かし同時期に製造された20050型と同じような機器が多いのかなと。 台車も100系スペーシアの方がサイズが大きいとか位 これ以降の特急車だと、走行安定性を高めるための機器を台車に付けることで対応してますが、 この頃は車輪の固定軸距を長くして、台車を大型化することで、走行の安定性を高めています。 まあそれでもヨーダンパーだったり縦ダンパー付いてたりと走行にかかる荷重を抑えるものは20050型とかよりも付いてますが。 SUミンデン台車なんで、板バネを使う分、軸箱支持装置そのもの荷重を受けられる仕組みですし。 やっぱり100系スペーシアはあまり揺れない車両ですねぇ。 上回りでは、バブル期感満載で、 座席は、JR特急のグリーン車並みの座席がもう普通席だし、 1両丸ごと個室車にしてたり、 高級志向な内装。 銀座の東武ホテルのデザイナーが車内デザインしたそうですし。 当時じゃ個室で温泉なんて良くあった話なんでしょうねぇ。 3号車には売店もあり、生ビールだったり、(冷食だけど)唐揚げとかポテトフライなんて居酒屋みたいなつまみも売ってましたね。 ↑無くなりました 登場当時は、まだまだ浅草→下今市や、上りは下今市→北千住ノンストップが特急のメインで、 ガッツリ温泉客とかで席が埋まってたそうです。 朝夕なんかだと、新栃木や新鹿沼にも停まる便があったそうですけど。 1997年に下りも北千住に停車するようになってます。 この頃になるとバブルも弾けて、観光客も車でとかって流れになり、 東武特急の利用者減に歯止めをかけるために、 1999年以降春日部に停めたり、JR両毛線からの利便性を上げるために新栃木停車を始発・終着以外栃木停車に移行し、 宇都宮線の電車を栃木まで伸ばして、 栃木県内から都内への利用も増やしたりしました。 でまあ驚いたのが、スペーシアがJRに入るという話 2006年から栗橋から湘南新宿ライン経由で乗り入れが始まりました。 (…当時中坊なりたてな管理人は野田線大宮経由だと思ってましたが(笑)) この改正で鬼怒川温泉でAIZUマウントエクスプレスと接続させて、会津へもスペーシアが担うことになりました。 2012年のスカイツリー建設に関わる宣伝としてスカイツリーカラーになったりして、 東武鉄道のフラッグシップ列車として揺るがなかったんですが、 2017年以降500系リバティが登場し、上記の会津へはリバティ会津が担うようになり、 100系と500系の2枚看板的な感じになって、 新フラッグシップ特急の話も出ました。 …まあ昨今の情勢から、新フラッグシップ特急の話はすっかり音沙汰なくなっちゃいましたが、 500系の方は汎用特急である点から、増備に伴い順次200系りょうもうの他に100系の運用も置き換え始めています。 2021年8月からはひとまず土休だけですが。 ちなみに、同時期に塗色が戻った編成もあり、日光そのものの宣伝である金色の日光詣以外や、一部を除き 塗色戻るそうです。 結局、スカイツリーカラーの100系は、10年間のスカイツリーPRだったって事ですね(笑) まあ後数年位は100系も安泰かなとは思います。 東武特急は100系と500系の2枚看板でとりあえずはって所でしょうかね。 昨今の情勢が落ち着けば分かりませんが… 2021年11月に後継となるN100系の導入が発表され、2023年に導入されるそうで、この100系の内装意匠を引き継ぐそうです。 …下回りは普通に500系のを使いそうですけどね リニューアル前 リニューアル後 座席本体は、リニューアル後も一緒。柄が変わりました。

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